今何年だっけ?

生活道路は「30キロ以下」=規制速度の基準を初策定へ−警察庁の検討委が提言
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009040200227

 道路の規制速度の合理的な決め方を調査研究してきた有識者らによる警察庁の検討委員会は2日、「生活道路は時速30キロ以下が望ましい」とする報告書をまとめた。一般道路についても、道路の特性に応じた基準速度の策定を提言した。
 初めて規制速度の基準が設けられることになり、同庁は、実際に道路で検証するなどし、今年度中にも基準を確定する。
 生活道路については、衝突時の速度が30キロを超えると歩行者らが致命傷を負う確率が大幅に高まることや、欧米での規制を参考に「30キロ以下」を提言。標識で規制するだけでなく、路面に凸状の変化をつけたり路線を蛇行させたりすることも検討対象に挙げた。

 生活道路と自動車用の道路を分離しないと子供がたくさん死ぬ事や、生活道路の通り抜けや速度超過を物理的に抑止するとコミュニティの形成に寄与するというのは1920年代くらいの研究成果で、都市計画分野の基礎の古典に近い知見。大正時代にはすでに内務省も取り組んでいたと思う。

 生活道路を否定し、全ての道路を自動車用道路としたのは1971年(昭和46年)に1949/1968道路交通条約*1にあわせて道路交通法を改正するにあたって、ことさらに無視した*2結果だと思う。テレビで、幼稚園で、学校で、地域で口をすっぱくして「道路で遊んではいけない」と言われ続けた。ローセキで書いたケンケンパが日本中から消えた。

 そして、道交法改正と特別会計を車の両輪にして、人員輻輳する商業区域の街路の真ん中を大量の自動車交通が通過していく街づくりが開始され、歩道が狭くなっていった。
 今日では生活道路を一定の低速で安心して走行できる性能は車両に要求される事はなく、乗用車は「軽くアクセルに足を載せるだけであっという間に加速する」ことをよしとしている。

 このような当たり前の事が言えるようになった事は大歓迎だ。

 しかし、ここまでやっておいて、世界中で良く知られている事実が正しかったと、どの口でそれをいうのか?

*1:1949には日本語の正文があるが、どう見ても誤訳だらけ

*2:条約に生活道路の規定があるにもかかわらず