真面目にTokyo fluと公式に呼ばれるようになるかもしれないってリスクも認識しようぜ

http://www.asahi.com/special/09015/TKY200905180151.html

学会にも影 渡航自粛で軒並み欠席「なぜ日本だけ…」
2009年5月18日17時4分
 新型の豚インフルエンザの感染者が世界各地で確認されている影響で、日本人研究者が海外の学会を欠席したり、日本国内で予定されていた国際的な学会が急きょ中止されたりするケースが出ている。仲間に冷静に対応するよう求めている研究者もいる。
 「科学的な判断が可能な皆様には、過剰反応ではない客観的な判断をお願いします」。レーザー技術の日本人研究者ら約190人に最近、こんな電子メールが届いた。31日から米国メリーランド州で開かれる国際学会への参加を呼びかけるためだ。
 メールには、米国にいる学会関係者が、日本の研究者の学会欠席が目立つと指摘していることが書かれていた。他国の研究者にそのような動きはないらしく、「なぜ日本だけが……」と不思議がられ、新型インフルエンザを「トウキョウフルー(東京インフルエンザ)」と呼ぶ現地の研究者もいるという。
 この学会に参加する電気通信大の植田憲一教授は「日本からだけ大量のキャンセルが出る事態になると、国際舞台での日本の存在感が下がることが心配だ」と話している。
 感染防止のため、教員や学生に渡航の自粛や制限を呼びかける大学も増えている。
 東京大は4月末、全学生と教職員に発生国への渡航自粛を要請した。期間は「当分の間」。5月5日に予定していた南米チリの東大アタカマ天文台の開所式も延期した。発生国からの帰国者は10日間は体温を記録し、大学内ではマスクをするよう求めている。

東京で、渡航経験がないインフルエンザ患者は、季節性インフルエンザか新型インフルエンザかの判別を行っていない。18日までは地方独自の検査は公式に認められていなかった。今でも厚生労働省の指示に従って、「渡航歴のない人は季節性」と判断してると思う。
渡航歴のない人のウィルスまで検査して判別結果の公表を行っているのは、神戸などの一部の自治体だけだ。*1

科学的判断が可能な皆様なら、東京から関西に伝わったのか、関西から東京に伝わりつつあるのかは現状ではわからないくらいの事は理解可能だろう。

科学的判断が可能な皆様なら、東京の保健所のデータ見に行って、「四月の東京都内でインフルエンザが流行している事」を確認して、冷静に行動してほしい。
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/inf/2008/Vol11No17.pdf
東京都インフルエンザ情報第17号2009(平成21)年4月24日発行

4月13日〜19日に、千代田、台東、墨田、中野、杉並、豊島、足立、八王子、武蔵野、調布、町田、小金井、福生西東京奥多摩、大島の7区7市2町でインフルエンザ様疾患による学級閉鎖がありました。

 そして、科学的判断が可能な皆様なら、メキシコや関西への旅行より、未発生国/地域への旅行こそ、はるかに慎重に判断しなければいけないと思う。
 WHOがパンデミックを宣言している以上、世界の複数の未発生地域で、東京からの旅行者や、東京への旅行から帰国した人がウィルスを振りまいたら疫学的に追跡され、場合によってはレーザー技術者の似非科学的な冗談*2ではなく、公式にTokyo fluという名前が歴史に刻まれるくらいの事を覚悟しなくちゃならないんだから。*3
 流行地域*4間では学校や満員電車などの不衛生な環境に注意して、季節性インフルエンザ同様の対策で人の行き来が可能だろうとは思うのだが。

*1:そして、神戸市は検体数が多すぎて個別に判別できないため、サンプル調査に切り替える。

*2:追記:これだけ愚劣なものを冗談と言っていいかどうか....

*3:それが季節性インフルエンザであっても

*4:患者数の把握が可能な地域ではなく、患者数をサンプル調査で推定するような