マスクは「時価」を表示して売れ

地震の時の話

僕は水道が出なくて困ってたのだが、給水所にいくと、○○さんのとこにもいる、××さんのところにもいる、トイレに流す水も、と近所の婆さんたちが、給水車の容量以上の大量の容器を積み上げて組織的に給水に並んでいて、給水は半日ならんでもペットボトル二本分しか貰えない状態になっていた。それだけ時間があるのなら浄水場*1まで歩いていける。
だから、半月も水が出なかったにも関わらず、給水を受けたのは2回だけ。それでも飲み水は隣の駅の近くのダイエー*2まで買いにいき、トイレは水路の水で流した。職場に出られるようになったら、総務に断って飲み水をポリタンクに汲んで持ち帰っていた。

便乗商法とののしられようと、そこで、「給水一回十円」にしてくれたら、僕も助かったし、清潔な水をほとんど休みなく働いて配っていた水道局の人たちも報われたと思うのだ。

神戸大学の学生が、小麦粉を練って焼いた簡素な食物を数百円で売り、便乗商法ととがめられ、放校になったと記憶している。この件以降、私はこの大学があまり好きじゃない。

例えば、タダで食糧を配ったとする。家族を守る必要もなく、家も安心で片付けも早々に終わって暇な人が、どれだけ配っても何度も取りにくる。そういう人は少数かもしれない。でも下手をすると大部分を持っていく。

高めの値をつければ、本当に困っている人しか買わない。「時価」をちゃんとつける事にも意味があるのだ。

僕が水を運んだポリタンクだが、店の中に散乱した物ならなんでも500円という店で買った。店員も出勤できないし片付けもうんざり、という店主にとってはよい「時価」なんだろう。
一方でちゃんと片付いている店では「5000円」の値がついてた。でも、店主がその値で売ってたとは限らない。5000円の値札をつけておけば、ポリタンクが本当に今すぐ必要な人しか買いにこない。その人に、「値段つけちがえてた」と4000円のお釣りを出してもいいのかもしれないし、値切るのがルールなのかも。地震の前にも後にも悪い評判の店ではなかったし、ぼろ儲けと地震後の店内を早々にきれいにする商売熱心は結びつきにくい。

 だから、今起きてるマスクの品切れ*3だけれど、一般の小売店は品切れになる前に、在庫が半分になる度倍々で値を上げ、時価を表示しておくのがいいと思う。仕入れの苦労を考えて時価でもらってもいいし、「それは時価で、売値はこっち」でもいい。
 問屋ごと買い占めて、買い占めに走ってる人に、安値で500枚でも1000枚でも売って「売り切れ」とかいう商売は商売の社会的役割に反すると思う。そういう変な店があるからヤフオクで高値で売ろうって奴らが群がるんだし。

*1:どうしてか知らんが、給水所で待ってる人には水をくれるが、浄水場まで自力で取りに来た人には水を配ってないようだったが。

*2:浄水場よりは近い。

*3:個人による買い占め行動もあるけど、問屋段階で大企業が工場の操業維持のためにドカ買いしてるとかいう話も聞く。うちは花粉症対策でいろいろ買ったのがまだあるので、当面の用は足りる。