熾烈な競争社会とはなにか

競争のない平和で安定的な社会と、いつ寝首をかかれるかわからない熾烈な競争社会……国民にとって望ましいのはどちらでしょう。そんなの考えるまでもないですよね! 当然熾烈な競争社会です!!

http://wiredvision.jp/blog/iida/200712/200712040913.html
id:Yasuyuki-Iida先生の挑戦的な言葉である。

経済学の「熾烈な競争社会」ってのがどの程度熾烈なのかっていうと、あらゆる市場が高い流動性を保って自由に価格競争をやっている社会なんだろうと空想してみた。

そうしたほうが、消費者にとっても、生産者にとっても結局利得が大きいってことなんだよね。
どれほど熾烈かと言うと、たとえば熾烈な競争に企業が勝ち残るために、従業員にサービス残業をさせたとする。労働市場も自由で流動性も高い。だから、社員はとっとと企業を見捨ててもっとましな別の企業に余分なコストなしで転職する。人材が流出して結局元の企業は生き残れない。でも失業者は少なくとも競争のない社会よりは楽に自分の能力にあった仕事を見つけやすくて、しかも競争がないときよりは収入は高い。

そういう「熾烈な競争社会」が求められてるわけであって、人件費を違法にケチらないと生き残れない上に誰も得しないような熾烈な談合社会とは別の話のようです。

ルールが厳格に守られている事と、その結果が不幸であるということは全く別なんですね。

で、「紺ガエルとの生活」さんの分析(http://ameblo.jp/993c4s/entry-10059080003.html)とか見てると、マスコミは安直に「競争によって格差が拡大した」と言ってるけれど、多分そうじゃなくて、我が国が競争社会から遠ざかってる事を示してる気がする。この国の格差の原因はおそらく労働市場で既得権が労働や能力より高値をつけた事だろう。