相も変わらずギョーザの話2 ひどい見込み捜査?

警察の段階か、マスコミの段階かわからないけれど、「犯罪=故意に毒を入れた」という前提*1で証拠分析が進んでいるようで恐い。これまで報道された証拠にもとづいて考えれば、汚染の範囲が広い事もあって殺虫剤として使用したが食品に高濃度に蓄積したという「過失致傷」の線で考える方が自然な気がする。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080216k0000m040120000c.html

 日米中の報道関係者80人以上が参加。野菜洗浄から材料のカット、凍結、袋詰めなど、ギョーザ製造の全工程を約2時間見た。工場内は一見したところ、清潔に保たれ、殺虫剤成分混入の痕跡は見当たらない模様だ。

工場は清潔だったそうだ。よく殺菌されてるのだろうね。
でね、広い範囲を汚染できるのって空調か水だとおもうんですよ。空調と冷凍機のフィルターや水道のストレーナ、排水トラップの汚泥は証拠として分析中なの?何も分析が出てこないんですけど。
 http://www.china-world.info/area/area03.htmに河北省のハイサーグラフが出ている。問題の6月はすでに気温は上がっているが、降水量は50mm。乾燥している状態だろうか。これを見ていて何の証拠もなく汚染のプロセスを想像してみた。
 空調系の殺虫に使われたか、あるいは工場外の環境中に低濃度で存在しているでもいいのだけれど、ともかくどっかに不純物があるとする。作業者がいて袋詰め作業をしているのなら室温は15℃程度はあるだろう。それに対して冷凍食品は-20℃に近い。空気中の不純物が人体に危険がない濃度であっても、暖かい人体や建造物に付着する以上に、大量に食品や袋の表面に蒸着するだろう。袋の内側、外側、そして高濃度で餃子本体を汚染するには空気の低濃度汚染からの濃縮が疑わしい気がする。
 だけど、そういう論調は全く見なかった。可能性として検討されたのならば、なんか公表されてそうな気がするのだが。*2

*1:最初は野菜に残留していたというありえない仮説があったが

*2:追記:ハイサーグラフで、クーラーを使い始めるとしたら6月だろうか、と思った。ま、所詮思いつき。