New Journal of physics見に行っちゃったよ。

http://www.iop.org/EJ/abstract/1367-2630/10/3/033001/
「Traffic jams without bottlenecks ―experimental evidence for the physical mechanism of the formation of a jam」
きくち先生はブログで本文やアブストラクトを読めば科学的だとわかる、ちゃんとした論文じゃなきゃこういうご立派なジャーナルには載らないと言っていて、それなりに期待して読んだ。科学的な内容に疑義はあまりなかった。また、研究の有用性もある。

でも、ニセ科学だと思った。
アブストラクトに至るリンクの見出しでは「An accident? Construction work? A bottleneck? No, just too much traffic」となっている。これはこの論文で実証した実験から「交通事故やボトルネックが存在しても渋滞が発生しないこと」を証明しなければ使っちゃいけない言葉遣いじゃないか?
センセーショナルな内容に見せかけるための誇大広告に等しい。
なにやら難しい実験の後に、この原理はこの布団でも成り立ってると言って布団を高く売ったらニセ科学でしょ。

また、「安全距離未満で車を走行させる」という実験参加者が身体的な被害をこうむりうる実験を実施したにもかかわらず、いかなる機関が倫理審査を行ったか書いていない。これには驚いた。普通は、倫理面での審査でリジェクトされるような気がするが。インパクトファクター3.75もあってこういう雑誌がまだあったんですね。*1

*1:追記:実際には大学の倫理委員会等が審査していても本文には載せない雑誌もあるのかもしれない。