ストリートビューについての問題点のまとめ

驚いたのはラブホテルの入り口の目隠しの内側まで写ってる事だったりする。

Google的には画像の公開の問題だけにしたいみたいだけれど、そうなんだろうか?
http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20080815.html#p02
↑の記事へのブクマコメントに書いたけれど、ストリートビューカー(以後ストカーと略す)の撮影装置の高さは地上3m程度のようであり、目隠しの設置などで「のぞくな」の意思表示をしているあらゆる場所を覗きながら撮影していくようになっている。*1

 画像を実際に確認して、問題があるなぁ、と思った事項*2を個人的に整理すると、

1.撮影以前の段階での問題
 不法侵入、道路交通法違反などの問題。Location Viewでもストカーでも、横断歩道の歩行者の進路妨害をしているようにみえてしまう画像などが散見される。*3
 ストカーの後ろ側の視点を連続して追うと、のろのろ運転に苛立った後続車が進路を変えていったようにみえてしまう連続写真もある。撮影のための低速運転って、法的にOK?*4
追記:
 おとなしい事例ばかりではない。

(ここには事例のリンクと私が考えた疑問の羅列が存在しましたが、消去いたしました。理由は2つです。一つはGoogle社が、私道への進入をしていないという前言を撤回した事。この事で、事例を紹介する事は疑問を提示する事にとどまらず、Googleの失敗を暴露するという性格を持ってしまう可能性があり、不適切です。二つ目、私は法律のよくわからない人間であり、そういう人間なりに「事後であれ事前であれ必要な許諾などをえれば、法的に問題ない」と考えていますし、Googleがその失敗によりどのような立場になるかはわかりません。ただ、このブログをリンクし「違法行為の証拠」であるかのように扱う人たちもいます。私は主に「公道上の撮影がなんでもOKかどうかはわからない」とか、「公道の位置は調べる事ができる」とか、「私道で許される事は何か」とかを支えているような「社会の仕組み」に興味があり、それが「ストリートビューGoogle Mapでのサービス提供開始」によってどんな影響を受けたかについて考えています。もし、Google社の行動そのものの道義的責任を問うのであれば、Google Earthでのサービスインの時点で行動していたでしょう。私の表現のまずさが招いた事ではありますが、Google社の道義的責任の追及は、必要かつ適法な範囲でご自分でおやりください。私は困った事や悩んだ事や疑問に思った事を書きますが「Googleの信頼や評価を傷つける目的」でこのブログを書いているわけではありませんし、ブログでそれをやる権利を持ってるわけではありません。
 そのような画像を公然と開示し、広く世に知らしめたのは第一にGoogle自身でありますが、リンクの無限定な連鎖を防ぐ必要はあると考えました。)

不適切ではないのかという疑念を生じさせる事例が見受けられたりもする。*5

 また、ストカーが共同住宅等の敷地内に進入して撮影したかのように見え、車輛乗り入れ禁止の立て札まで写っている例は一つだけではない*6
 いまのところ、ストリートビューは、ストカーがやったさまざまな行為の証拠集のように見えてしまう状態になっている。

2.撮影行為そのものの問題(軽犯罪法違反?迷惑防止条例違反?)
 私道での撮影、目隠し塀の上からの撮影などの問題。
 もちろん、位置指定道路である以上、ストカーが通行する権利はあるだろう。でも、一般的に撮影が許可されるとは限らないのではないだろうか。私道などは私道ごとにルールがあるだろうし、そこで撮影したければ、いちいち確認すべきだろう*7
 それと、上から目隠しを覗く問題がある。目隠し塀に穴が開いていたら覗いていい?じゃ、スカートの内側を下から覗いてもOK?違うでしょ。*8
 高さ1.3-1.5mを超えた*9塀越しに覗き込みや撮影をしたらダメでしょ。隠す意思は明白なんだから。個人的には完全にアウト*10の範疇に入ってる。
 で、アウトになるのは撮影しようとして覗きこんだ時点や、撮影時点であって、それを公開するとか、しないとかに関係ない。

3.撮影したデータの公開の問題
 Googleはこっちの問題にしか言及してないようだが、1,2を免責するかどうかは自分が被害者だと思った人がどう思うかであって、Googleが主導権を握れるものではない気がする。*11

ともかく、「日本の法令を守る」と言うのはそれほど簡単ではないよ、と思った。法令に触れた時に処罰されるかどうかは、http://www.nurs.or.jp/~ogochan/essay/archives/1349でおごちゃんが注目するように倫理の問題なのだろうと思う。

追記:
 サービスそのものは面白い、面白いだけに不快な所や、態度の悪さと言うのはとても気になる。
私は不法侵入を受けた側ではないし、自宅の目隠し部分の撮影を行われていないので、被害者の地位にはいない。
 ただ、本当に不愉快な目にあった人が本気で怒るのは止められるもんではないし、Googleが法律を守ってたかどうかなんて本気で怒った人が告訴やなんかをしてから裁判所が決める事だろう。
 軽々しく日本の法律を守っていますなんて書くもんではない。http://d.hatena.ne.jp/kumakuma1967/20050904/p1で触れた「庭に糞尿を大量に貯め込んだ男性」も、マスコミが調べた頃には「法律を守ってる」事になっていたけれど、実際にはそうではなかった。騒音おばさんだって逮捕の寸前までの長い間法律を守ってる事になっていた。
 面白いサービスだけに、3の問題の議論しか提示してないように見え、1、2で怒った人の怒りに燃料を投下するだけの態度に見えるのは惜しいなぁと思う。

さらに追記:
こんな思いつきの書いてあるブログより早く注目してた人たちはいるので、下に参考にリンクを貼っておく。二番煎じどころか五番六番ってくらいの出がらしなんだと思ってますが、どうなんでしょうね。

http://d.hatena.ne.jp/essa/20070610/p2
http://bewaad.com/2007/06/11/160/

*1:プリウス」「ストリートビュー」で画像検索すると概ねプリウスの車高の二倍程度の高さに撮影装置がある事がわかる。

*2:画像を見た時に、なんだこれは、と思うような事で、本当に問題がある事が行われた事とは違う事に注意してください。

*3:歩行者が横断歩道を渡ろうとして停まっている場合、車輛は停止する義務がある。

*4:運転免許を持っている個人は行政処分で済むけど、法人には免許がない。

*5:違法合法はわからないけれどコンプライアンスの方針とストカーの行動は一致していないように見える。

*6:簡単に複数見つかるって事はどんだけあるの?

*7:しているのかもしれないが。

*8:追記:単純に高さの問題は問題にならないというなら、地上3cmで撮影してもOKなんですかねぇ....。

*9:1.3m-1.5mの範囲を上下に超えて目隠ししているようなのつもりで書いた

*10:自己の行動規範として「悪い事をした」と思う領域

*11:まじめになにかヤバい事があったのなら、「公開を取りやめてデータも廃棄しますので示談にして下さい」とかいう話ならわかる気もする