最近はあんまり左の人の自覚はないが

たぶん右とか左とか決め打ちしてないので左寄りの事も言うし、株買ってたり子育てしてたりする関係でどうしても右の目も使わなきゃいけない立場なんですね、私。
さて、すなふきんさんのエントリがちと気になった。
http://d.hatena.ne.jp/sunafukin99/20090220/1235083044

いまだに何か搾取バイアス*1と言うか、「誰かが我々の取り分を横取りしてる」みたいな感覚が(いわゆる左系論者たちの)意識の根底に居座っているようにも思える。

こういう問題を扱う時に平均だけ見るの?

搾取する会社も、そうでもない会社もずっとたくさんあったんだと思うよ。

 今だって、「工場閉鎖、失業の尻拭いで自治体てんてこ舞い」とか新聞に出てる会社が、株式欄では「無借金経営が売り」、「自己資本比率高く財務状態は業界トップ」、「昨年まで連年の最高益更新」で、「今年は去年の黒字の1/3くらいの赤字」で、「赤字の主な理由は千人単位のクビを切り、退職金払うから」だということでアナリスト絶賛買い推奨だったりする。

 超大企業で給料は生活に困らない程度に出てる会社でも、仕事が忙しくなると過労や労働環境の悪化で自殺や突然死で、体制の弱い部門では%単位で人が死んでくのに、会社は絶対に労災を認めないから裁判しないといけない。なんて話も聞く。

 左の運動の人はそういう出発点からスタートして、そういう現場で運動してる。で、日本の平均の労働分配率を見る。で、平均でこれでは割に合わねえだろって言っちゃいがち。だからそれがちょっと下がれば烈火の如く怒る。
 労働問題に関わってる運動家の興味は労働問題にあるから分配率見て怒るけど、労働分配率に興味があるわけじゃないでしょ。

 なんら経理上の問題が存在しないのに大量の整理解雇をしたり、人がバタバタ死ぬような会社の存在を市場と制度が許容しているなら、労働分配率法人税率は高くて当然だと思うよ。だって普通の会社が資本でヘッジするリスクを従業員と公共に負わせていい事になっちゃってるし。

 で、現実の社会には「すげー搾取」な会社もそうでない会社もあって、渾然としてて、自分で投資するときにはできれば搾取せずに業績が上向きそうな会社を選びたいと思ってます。*1

経済学者から見れば労働分配率は景気がよければ下がるし悪ければ上がるもんで、別に変な事は起きてないんでしょう。でも株を買う立場や働く立場からは結構悩ましいんですよ、たぶん。

追記:
トラックバックを頂いたようですが、リンク先はこの記事ですが、引用部分等は私が書いた文章と異なっているようですのでペンディングしておきます。

追記2:
トラックバック元は↓の記事のようですが、このブログの文章の引用もなく、まるで私が書いた文章であるかのような形で私以外の誰かの文章が入っています。
http://d.hatena.ne.jp/claw/20090225/p2
謹んでトラックバックは削除させて頂きます。

*1:スーパーのレジ打ちだって、あれ、誰にでも出来る仕事じゃないんですよ。整理解雇とかすると如実に質落ちるんですよ。スーパーの株買うって事は、スーパーの使う店舗とかカゴとかレジとか買うって事なんで、うまく使って欲しいと思うじゃないですか。