トヨタ車のプラットフォームの概要

昔はコロナマーク2もチェイサーもクレスタも下半分は一緒と笑っていたけれど、今のトヨタは車台の共通化をさらに進めていて、少数の車台から多彩な車種を生み出している。

現行モデルの車台の種類を大雑把にわけて適当に名前をつけてみる。
ついでに、個人的判断で「最初に投入されたモデル」の車名と投入年次、特徴もつけてみる。

  • Sub-B系(アイゴ/05)

プジョーシトロエンと共同開発。ヨーロッパ向け。アイゴ以外は知らないけど、国内ではプジョー107とか。

  • B系(ビッツ/99)

いわゆるBセグメント。世界戦略車。Bプラットフォームと呼ばれる。ビッツ、ベルタ、bB、サクシード、プロボックスファンカーゴ、Will Vi、istなど。

Cセグメント戦略車だった。国内向けカローラプリウスアリオン、Wish、ノア、アベンシスヴォクシーアイシス

  • M系(カムリプロミネント/90)

北米戦略車、E系のFF/低コスト化。カムリ、RAV4、海外向けカローラエスティマハリアーブレイド、オーリス、IMVあとたくさん。

  • E系(マーク2/90):高級車向け。FRレイアウト。

ダイハツ系の車台とハイエース系のトラックを除くとこんな感じ。拡張や縮小などで、派生形はたくさんあるけど、サラブレッドのように、5台のご先祖様に行きつくような感じ。(従来は4つの車台で全部つくるって言われてたけど、ヨーロッパ戦略で一個増えた。)

シェンタはちょっと異質で前半分がB系で後ろ半分がC系のハイブリッドプラットフォームだと思う。

で、B系、C系は1990年代に「21世紀に通用する車」としてフルスクラッチされて再開発されたもののようだ。たぶん、経営者としては豊田英二氏の影響だろう。M系、E系はコストのかかる再開発はあまりなされていない気がする。あるいは常にコストをかけて見直しているから目立たないのかも知れない。

最近は、C系プラットフォームが日本国内でしか売れないらしく、戦略車の地位を滑り落ち、海外向けカローラに見られるようにCクラス車のM系プラットフォーム化、B系プラットフォーム化が進展している。

 プラットフォームは拡張されたり変更を加えられたりして変遷し、多様なボディが載せられる。しかし、個人的印象では、乗って気持ちいい車というのは、ご先祖様と特徴を共有する車だったりする。例えばマーク2の特徴を継承するクラウンセダンやプログレプリウスの特徴を継承する国内用カローラなどは実に素直に先祖のいい面が出てるように思う。

 逆に、たとえばC系プラットフォームのカルディナバンの後継車はサクシード/プロボックスだけど、B系プラットフォームでC系サイズなので、乗ってみると「なんとかつじつまを合わせた技術者の苦労」のようなものを感じたりする。