国旗国歌というならば

http://d.hatena.ne.jp/kechack/20080403/p1
Munchener Bruckeさんに反応してしまった。

 国旗国歌法制定や教育基本法改正以降、教育現場や公の場で国旗掲揚・国歌斉唱を推進する動きが広がっている。現場の公務員はお上の通達を事務的にこなしているだけなのであろうが、そもそも何のために行う施策なのか目的を見失ってしまっているような気がする。

 結論から言うと、保守系政治家の自己満足+コアな支持者向けのパフォーマンスというベクトルと、政治家に教育問題に関心を持ってもらって教育予算を多く確保したい官僚組織のベクトルの合力によって推進されていると言っていいだろう。

 私自身は日の丸が法的には国旗ではなくて、国籍表示だった時代に成人した。
 小学生の時に音楽の教科書に「君が代」を掲載しないと検定に通らなくなり、そのうち「国歌」と書かないと通らなくなった。学校以外ではある程度自由があって、「実質的に国旗と同様に通用するものだから、外国旗/外国国歌が外国でされる場合と同様に丁重に扱う」という感じ。学校行事において掲揚されるようになったのは子供が学校にいくようになってからである。
 ここ数年のように学校行事に保護者として招かれていくと、役所の人間がいて、「国旗への敬礼の角度」や「君が代斉唱時の口の大きさ」までチェックされるというのはまるで外国にきたような気分だ。

 法律ができて国旗国歌ということになったのだけど、そこまでの経緯やなんかは非常に不幸なもので、違和感を感じざるを得ない。だから、違和感を感じる人に強制はしないという政府見解はありがたかったのだが。

 一方で、日の丸の旗が国旗であるとする人たちも現にいるので、私が育って来た環境では、日の丸の旗を地面に置いたり、国旗でない団体旗*1などと同じ高さに掲揚する事は許されなかった。国旗であるなら当たり前の事だが、たとえ国会の議決を経てないにせよ、国旗だと主張する人たちが居るのだから、ないがしろにするわけにもいかない。*2

ところが、今日学校や役所、保守政党では日の丸の旗は国旗として扱われていない。
役所や学校でぼろぼろになった国旗を掲揚してるのは、なんなんだろう。掲揚前の準備をする警備員が国旗を地面に置いたり、足で扱っているのはなんなんだろう。学校行事で国旗への敬礼の角度や君が代斉唱時の口の大きさまでチェックされるのに、役所の旗が国旗と並んで掲揚されてるのはなんでだろう。某党の記者会見では、国旗と党旗を同じ高さに掲揚しているし、党首の執務室の映像では党旗を国旗より上位に置いている事すらある

 彼らを見ていると「法的にもその旗は国旗だし、その旗は国旗だと思っている人がたくさん居るのですよ。」と、言いたくなる。

あんまり国旗だとか国歌だとかと思わずに育ったおいらが見ても不思議な状況なのだ。

文部科学省保守政党も、まず国旗が何なのか考えてからやれよ。

追記:
入学式及び卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/pr031023s.htm

1 国旗の掲揚について
 入学式、卒業式等における国旗の取扱いは、次のとおりとする。
 (1) 国旗は、式典会場の舞台壇上正面に掲揚する。
 (2) 国旗とともに都旗を併せて掲揚する。この場合、国旗にあっては舞台壇上正面に向かって左、都旗にあっては右に掲揚する。
 (3) 屋外における国旗の掲揚については、掲揚塔、校門、玄関等、国旗の掲揚状況が児童・生徒、保護者その他来校者が十分認知できる場所に掲揚する。
 (4) 国旗を掲揚する時間は、式典当日の児童・生徒の始業時刻から終業時刻とする。

団体旗を掲揚する場合は国旗はそれより高く掲げるべきで、高い位置に団体旗を掲揚する場合は国旗は掲揚出来ない。

地方自治団体旗である都旗と国旗をあわせて掲揚しろって、いったいなんのおふざけなんだ?

*1:日本が加盟する国際的団体、国連などの旗を除く

*2:もっとも正確に知ってたわけではない。検索するとhttp://www.kokusaihiroba.or.jp/j00top/kokusaihiroba/kokki/kokki_6.htmというページが見つかった。