鉄道営業法34条は無効か?
久しぶりに町村先生のブログにコメントした。
http://matimura.cocolog-nifty.com/matimulog/2009/06/news-6491.html
news:男性専用車両の設置要求
西武電鉄に設けて欲しいと、株主総会で提案される。
J-CAST:「男性専用車両」の設置を株主提案 西武鉄道
これが三度目の提案で、書面投票では47%もの賛成を集めているそうだ。
しかし、誰が乗るのか?
公共交通機関であるわけだし、女性専用車の導入時のように利用者の声*1を調査して、試験導入→本導入と進まないと政府に指導されちゃうよ、と思った。
株主という立場で提案するならば「男性専用車の設置可能性を調査する」旨の議案ならともかく、「設置する」旨の議案ってどうなの?
西武鉄道は西武ホールディングスの100%子会社だったような気がするが、だとすると、親会社の西武ホールディングスの株主総会なのだろう。
親会社による経営介入を繰り返すつもりなのかな?*2
などと思ったのだが、そもそも男性専用車の位置づけってどうなの?
と思って、
女性専用車は、法的根拠があって、女性専用車に男性がみだりに立ち入れば、刑事罰もあります。
男性専用車の場合はないですよねぇ。
と書いてみた。
ちなみに想定してたのは
鉄道営業法
第三十四条 制止ヲ肯セスシテ左ノ所為ヲ為シタル者ハ十円以下ノ科料ニ処ス
一 停車場其ノ他鉄道地内吸煙禁止ノ場所及吸煙禁止ノ車内ニ於テ吸煙シタルトキ
二 婦人ノ為ニ設ケタル待合室及車室等ニ男子妄ニ立入リタルトキ第四十二条 左ノ場合ニ於テ鉄道係員ハ旅客及公衆ヲ車外又ハ鉄道地外ニ退去セシムルコトヲ得
一 有効ノ乗車券ヲ所持セス又ハ検査ヲ拒ミ運賃ノ支払ヲ肯セサルトキ
二 第三十三条第三号ノ罪ヲ犯シ鉄道係員ノ制止ヲ肯セサルトキ又ハ第三十四条ノ罪ヲ犯シタルトキ
三 第三十五条、第三十七条ノ罪ヲ犯シタルトキ
四 其ノ他車内ニ於ケル秩序ヲ紊ルノ所為アリタルトキ
○2 前項ノ場合ニ於テ既ニ支払ヒタル運賃ハ之ヲ還付セス
そしたら、
後続のコメント欄に
という情報を頂いた。
私が小さい頃(1970年代前半)はまだ走っていた「女性専用車」は憲法違反だったのか?
そりゃまた、解釈改憲って事なんですかねぇ。そのうち男子トイレ/女子トイレっていうのも違憲ってことになるかもしれない。
おまけにこの法律何度も改正されてるんですけど、本気で国土交通省が違憲と考えていて、国会に受け入れられると思うのならとっとと削除してほしいなぁ
処罰の対象になるのは、
- 係員の制止を無視して
- みだりに
- 女性専用車両に立ち入った時
であるように見えるので、よほどのことでないと処罰されないと思うんだけど。
処罰できなくても
第四十二条
四 其ノ他車内ニ於ケル秩序ヲ紊ルノ所為アリタルトキ
でつまみ出せるみたいだけどね。
でも、例えば女性専用車に男性が乗ってて、女性の告発を警察官が受けたら、国土交通省の鉄道会社への指導なんて関係するのかな?
28-29条の行為なら、鉄道会社側が告訴しないと事件にならないみたいだけど。
第三十条ノ二 前二条ノ所為ハ鉄道ノ告訴アルニ非ザレバ公訴ヲ提起スルコトヲ得ズ
鉄道会社と監督官庁の内輪の話が、法律に優先するなんて事はちょっと考えにくいんだけどなぁ。
ともかく、「過去にやっていて」「法律に書かれていて」「乗客に必要性が認知されている」ようなものと、「これまでになく」「法的にどうなのか位置づけを一からやらなきゃいけなくて」「親会社の株主が騒いでる」ものじゃ、全く違うだろうと思うのだけど、どうなんだろう。
法律の専門家のところで議論するには、ちと恥ずかしいような話。